人間の不思議な偏見(バイアス)を知る

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 私たちの心理は過去の経験や信念により、必ずしも正しい判断をするとは限りません。人間が判断をする際に無意識にかかってしまう「手がかり」の一種をバイアスと呼びます。バイアスは判断時に役立つこともありますが、一方で、その手がかりに惑わされ、間違った判断を下すこともあります。バイアスは「偏見」や「色眼鏡」と 言われることもあります。

 バイアスが判断時の妨げになることを知ることで、自分自身が無意識のうちにバイアスに影響を受けてしまっているかもしれないことに気づくことができます。そして、客観的に判断するためには、自分自身が持つ偏見やステレオタイプを認識し、それらに惑わされないように注意することが必要だということを理解することができます。

正常性バイアス

問題やリスクに対して「自分だけは大丈夫」と過小評価するなど根拠の無い判断をすることを「正常性バイアス」と呼びます。

 周りにあるものや出来事を正常と見なしてしまい、その背後にある問題やリスクを過小評価したり見逃すことがあります。

  • 自分の身の回りにいる人々が病気や障害を持っていない場合、健康であることを当たり前と見なし、定期的な健康チェックを怠る。
  • ある国が戦争やテロの被害を受けたことがない場合、軍事的な脅威やテロのリスクを過小評価する。
  • 自分自身が何かを成功させた場合、それが当然のこととして考え、その背後にあるリスクや失敗の可能性を見落とす。
  • 周りの人々が犯罪を犯さない場合、自分自身が犯罪被害に遭う可能性を低く見積もってしまう。
  • ある地域で自然災害が発生したことがない場合、災害リスクを過小評価していることがある。
  • ある商品が長年にわたり安定して提供されている場合、その商品に関するリスクを見落としてしまうことがある。
  • 自分の仕事が長期間にわたって安定している場合、経済の変動や新技術の登場によって自分の仕事が危うくなるリスクを見落とすことがある。
  • 長期間にわたり運転して事故に遭ったことがない場合、交通事故のリスクを過小評価してしまうことがある。
  • .何かを長期間継続して行っている場合、それが当然のことと考えてしまい、その習慣が健康や経済に悪影響を与える可能性を見落とす。
  • ある環境で長期間過ごしている場合、その環境に慣れてしまい、環境の悪化に気づかないことがある。

確証バイアス

問題やリスクについて注意喚起や警告を聞いた時に「自分に都合が悪い情報」を無視したり聞かなかったりすることを「確証バイアス」と呼びます。裏を返せば都合の良い情報だけを集める。

  • マルウェア(悪意のあるソフトウェア)感染が拡大しているため、セキュリティ対策を万全にと言われたが、周囲に被害者もいないし大丈夫だろうと思った。
  • テレワークが一般化しており、パソコン操作が出来ない人は仕事の選択肢が狭くなるとテレビを見たが、自分だけじゃないから関係ない。

同調性バイアス

集団の中では、周囲の人と同じ行動をとろうとする心理。

権威バイアス

権威のある人が言うことは正しいと思う心理。

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